収蔵品案内

佐々木志津摩筆(ささきしずま) 江戸時代
紙本墨書 一幅 縦57.5cm 横108.0cm

岡山藩主池田光政(いけだみつまさ)は儒学を好み、藩士や領民の教育活動に熱心だったことで知られています。寛文8年(1668)、光政は家臣の津田永忠(つだながただ)らに、藩学校の新築を命じます。翌年に開校した藩学校(岡山市蕃山町)は、藩士の子弟を中心に朱子学や武芸・礼法などを教え、明治4年(1871)の廃藩置県まで存続しましたが、昭和20年(1945)の戦災で焼失し、現在は国指定の史跡として池と橋だけがのこっています。

往時の藩学校の外門・校門・講堂には、それぞれ「学校」・「校門」・「講堂」の文字が刻まれた扁額が掲げられていました。本作品は、外門に掲げられていた扁額の元となった本紙で、唐様の堂々とした書体は、見るものに「学校」の持つ威厳を感じさせます。筆者の佐々木志津摩(1619~1695)は江戸時代前期の書家で、和様を学んだ後に唐様に転じ、志津摩流の祖となり一派を率いました。

本作品は遺例の少ない志津摩の筆跡を伝えるとともに、今は無き岡山藩学校ゆかりの遺品としても貴重です。平成20年8月3日(日)から9月7日(日)まで開催する、企画展「みずくきの美 館蔵書跡名品展」で展示予定です。

(林原美術館 浅利 尚民)