収蔵品案内

江戸時代
紙本著色 一巻  縦25.8cm 横116.7cm

池田恒利画像

池田斉敏画像

池田綱政画像

本作品は池田家歴代の画像を巻子にまとめたものです。「縄武(じょうぶ)」とは祖先の業を継承するという意味で、その名の通り本作品は、清和源氏の祖といわれる源経基からはじまり、源満仲、頼光、頼国、頼政、池田恒利、恒興、輝政、利隆、光政、綱政、継政、宗政、治政、斉政、斉敏までの計16人が描かれています。実は源頼政と池田恒利が活躍した年代には約4世紀の隔たりがあり、鎌倉・室町時代がすっぽり抜けているのですが、その理由は、恒利の画像の詞書に「養源院殿従五位源恒利 入道満仲公十八世孫」とあり、恒利を源満仲の18世の孫とし池田家と清和源氏を結び付けるためと考えられます。岡山藩で江戸時代に亡くなった最後の藩主である斉敏までが描かれていることと、附属する書付の内容から、本作品の制作には斉敏の後を継いだ池田慶政が関与していたことがわかります。

12番目に登場する池田綱政(1638~1714)は、実質的な初代岡山藩主の光政の嫡男で、寛文12年(1672)に光政の隠居に伴い藩主となりました。綱政はその在任中、禁裡造営、新田開発、百間川の開削、後楽園の造園、閑谷学校・吉備津彦神社の改築、曹源寺の創建など、藩政・文化事業の両面で多くの治績を残しました。また当館では綱政が書き残した多くの文書・絵画類を所蔵していますが、これらの作品からは、和歌や古典文学に造詣が深く絵画もたしなむ、綱政の溢れ出る才気がみてとれます。

当館では、平成19年10月20日(土)から12月24日(日)まで企画展「池田綱政」を開催します。本作品をはじめとして、大名池田綱政の実像に迫る資料を多数展示する予定です。

(林原美術館 浅利 尚民)