収蔵品案内

江戸時代
紙本墨書・絹本淡彩 一巻 縦31.4cm  横1224.8cm

頼春水「黄葉」

浦上春琴「黄葉亭図」

閑谷学校は、岡山藩主池田光政(いけだみつまさ)が寛文10年(1670)に領内の庶民教育のために創設しました。著名な瓦葺(かわらぶき)の講堂は、元禄14年(1701)に建てられたもので国宝に、その他の主な建築物も重要文化財に指定されており、黄葉亭もそのうちの1つに数えられます。

黄葉亭は文化10年(1813)に、時の閑谷学校教授の武元君立(たけもとくんりゅう)と有吉蔵器(ありよしぞうき)により、教授たちの憩いの場として、また遠方からの来客をもてなすための場として建てられた茶室です。本作品はその黄葉亭にちなんだ三人の書と絵画が、巻子仕立てにまとめられたものです。巻頭に儒学者頼春水(らいしゅんすい)の「黄葉」の書(紙本墨書)、続いて岡山出身の浦上玉堂(うらかみぎょくどう)の長男で、優れた絵画を多く残した浦上春琴(うらかみしゅんきん)による「黄葉亭図」(絹本淡彩)、最後に「日本外史」を著し幕末の尊皇攘夷論に多大な影響を与えた、春水の子の頼山陽(らいさんよう)による「黄葉亭記」(紙本墨書)を収めています。三者の合作ともいうべき本作品は、当時の閑谷学校における儒者との交流をあらわす資料として、また閑谷学校の情景を伝える資料として貴重なものです。

本作品は平成19年2月17日(土)から3月25日(日)まで開催される、企画展「岡山ゆかりの文化財―閑谷学校と藩校を中心に―」で、約20年ぶりに展示される予定です。

(林原美術館 浅利 尚民)