収蔵品案内

江戸時代
絹本著色 縦71.2cm 横43.7cm

池田継政画像(「縄武像」より)

池田光政画像  池田継政賛 享保11年(1726)

池田光政画像 池田継政画賛 延享4年(1747)

池田継政(1702~1776)は、正徳4年(1714)、父綱政の死去に伴い岡山藩主となりました。藩主時代の事績としては、岡山後楽園(御後園)に現在ものこる唯心山(ゆいしんざん)を造営したことなどで知られています。宝暦2年(1752)に藩主を息子の宗政に譲ったあとは、出家して空山(くうざん)と号し、後楽園などを生活の場として悠々自適に暮らしました。

本作品は束帯姿で上畳に座した継政画像で、延享3年(1746)に賛が記されていることから、継政がまだ藩主をつとめていた時に描かれた寿像であることがわかります。未表装で伝わっていますが、口許と頬から顎にかけて描かれる髭の剃り痕が特徴的で、池田家歴代肖像画を納めた「縄武像」(当館所蔵)に描かれる継政の原図に近い作品といえます。背後の弓とやなぐいは、菩提寺である曹源寺に納められた父綱政の画像にもみられることから、綱政画像を意識して制作されたことがわかります。

近年の調査によって、継政は歴代藩主の中では抜きん出て多くの祖先の肖像画を制作し、また修理を施していたことが分かってきました。継政が制作した肖像画で岡山藩が管理していたものは、主に岡山城の「御廟宝庫」で保管され、現在ほとんどの作品は当館で所蔵しています。とりわけ祖父の光政の画像は複数確認されており、継政が光政に抱いていた敬慕の念を読み取ることができます。

平成22年12月1日(水)~同23年1月16日(日)まで、当館では企画展「画人大名 池田継政」を開催します。継政自筆の史料や制作に携わった肖像画、所用の品々を展示し、新たに分かった継政の実像に迫る予定です。

(林原美術館 浅利 尚民)