林原美術館 HAYASHIBARA
MUSEUM OF
ART

展覧会案内

企画展

終了しました

「玉堂と文人画の世界  -春を彩る館蔵名品とともに-」

平成28年3月5日(土)~4月3日(日)
このたび当館では、平成5年以降に浦上玉堂の子孫である浦上家からご寄贈いただいておりました「浦上玉堂遺品類一式」を岡山県立美術館へ寄贈することとなりました。そこで改めて、岡山を代表する文人画家である浦上玉堂の画業を振り返ることとしました。
浦上玉堂(1745~1820)は、岡山城下石関町天神山の備中鴨方藩邸内に生まれ、同藩藩士であった父宗純が病没後、わずか7歳で家督を継ぎました。その後玉堂は、同藩主池田政(まさ)香(か)(1741~1768)の側近として仕え、熱心に藩務に取り組みました。一方で、儒学や詩作、琴などの学問や学芸にも励み、儒家や文人家との親交を深めていきます。そうした営みの中で、玉堂は自然が魅せる雄大かつ繊細な風景を題材に、人間の感性・感覚を超越した表現を「画」の中に魅せるようなります。
本展では、玉堂が描いた「夏晩水亭図」や「平遠奇峰図」をはじめ、琴譜や印章などの愛用品や、長男春琴(1779~1846)が古希の祝いに描いた「玉堂寿像」など、玉堂ゆかりの品々をご覧いただきます。
あわせて、併設展示といたしまして、西山芳園筆「花鳥図」、池大雅筆「梅花書屋図屏風」をはじめ、能装束や鍋島焼、蒔絵の工芸品など、桜や梅をモチーフにした作品を展示いたします。私たちを魅了する玉堂の世界と、朗らかな春の訪れを告げる作品の数々をご堪能ください。

◎ギャラリートーク
会期中の毎土曜日 14時から
(3/5、12、19、26)

◎関西大学との共同研究成果の発表について
平成26年から林原美術館と関西大学が共同で、当館が所蔵する資料の超高精細画像の撮影を行っております。
本展では、浦上春琴筆「玉堂寿像」を含む4点の作品のデジタル画像を初公開いたします。あわせて昨年ご好評いただいた「平家物語絵巻」の画像も、お楽しみいただけます。作成された超高精細の画像(1,200dpi)は、パソコンにタッチすることで自由自在に拡大縮小することができ、筆跡なども拡大して見ることができます。世界トップとなるこの最新の技術を、パソコンと4K大型ディスプレイを使用して実際に体験していただくことができます。